今月の立ち読み

JRA賞年度代表馬 最優秀3歳牡馬

JRA賞年度代表馬 最優秀3歳牡馬
古馬とも戦いGⅠ3勝
エフフォーリア
いつも主役だった駿才
文 = 島田明宏

今月の立ち読み

 2020年の夏、新馬戦前の追い切りで初めてこの馬に跨った横山武史騎手は、間違いなく重賞を勝てる馬だと感じたという。鹿戸雄一調教師は、2戦目の百日草特別で鋭く抜け出す脚を見て、クラシックを意識するようになったと話している。このように、2歳のときから豊かな素質を感じさせていたエフフォーリアの3歳初戦は、2021年2月14日の共同通信杯になった。緩い流れのなか掛かり気味に先行し、2着を2馬身半突き放して重賞初制覇。鹿戸調教師によると、それまでは体質的に弱く、疝痛を起こすことが多かったのだが、このころから起こさなくなったという。

 それでも、レースを使うと疲れが残るタイプなので、オーナーサイドと協議し、4月18日の皐月賞に直行することになった。レース当日は晴れていたが、前日の雨の影響で芝コースは稍重。好スタートから3、4番手につけ、先頭を2馬身ほどの射程に入れ、3、4コーナーを回った。直線入口で馬の間から鋭く伸び、2着を3馬身突き放してGⅠ初制覇を遂げた。これで4戦4勝。相手が強くなるごとに2着との差を広げていく、青天井の強さを見せた。「直線入口で抜け出しときに、勝ったと思いました。思っていた以上の強さでした」と鹿戸調教師。

 平成以降、皐月賞で2着に3馬身以上の差をつけたのはナリタブライアンとオルフェーヴルとこの馬だけ。当然期待は高まり、5月30日の日本ダービーでは単勝1.7倍の圧倒的1番人気に支持された。しかし、1枠1番から先行し、ラスト300㍍付近で先頭に立って最後まで脚を使ったが、シャフリヤールとの激しい競り合いのすえ、ハナ差の2着に惜敗。デビュー以来初めての敗戦が大本命として臨んだダービーという悔しい結果となった。

「勝ちに行く競馬としては完璧だったと思います。競馬自体は素晴らしかったのに、調教師だけが未熟でした。ダービーを勝つことの難しさを思い知らされました。負けたのは残念ですが、あらためてエフフォーリアの強さを確認できました」

 そう話した鹿戸調教師は、「悔しいけど、エフフォーリアが引退するわけではない。一緒に頑張っていこう」と自身に言い聞かせたという。


続きは、1月25日発売の『優駿』2月号でお読みください。

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