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稀代の快速馬を偲んで

お盆の時期でもありますので、
今は亡き1頭の名馬にちなんだ思い出話を。

1998年11月1日、東京競馬場。第118回天皇賞(秋)。
単勝オッズ1.2倍という圧倒的な支持を集めたサイレンススズカが
3、4コーナーの中間で故障・競走中止。
左前脚手根骨粉砕骨折発症により、すぐに予後不良(安楽死)の措置が取られた事は
多くの競馬ファンがご存知のことと思います。

その時私はどこにいたかというと、ゴール板の真正面の外ラチ沿いに、
カメラマンさんたちと陣取っていました。
ゴール板下に設置したラジコンカメラのシャッターを切る役目があったからです。

サイレンススズカは同年夏、宝塚記念で悲願のGⅠ制覇を成し遂げています。
すぐ後、私は北海道平取町にある稲原牧場に
「GⅠ勝ち馬の故郷」の取材にライターのH氏とともに行き、
稲原牧場の先代社長・稲原一美氏(故人)に色々とお話を伺いました。

「秋の天皇賞が本当に楽しみでならない」
「秋にまた取材に来てくださいね」

事故の瞬間、一美社長の口にしたセリフとその時の笑顔が私の脳裏をよぎりました。

楽しみで仕方がなかったレースで、予期しない最悪の結末が待っていようとは・・・。

関係者の皆さんの悲しみは我々の想像を絶するものだったでしょう。
私も、いち取材者として、いち競馬ファンとして、
胸が締め付けられる思いでした。

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あの悲劇からもう11年近くが経とうとしている今夏、
サイレンススズカの故郷を再訪する機会に恵まれました。
今では稲原牧場は美彦氏が代を継ぎ、
高松宮記念優勝のスズカフェニックスを送り出すなど、老舗牧場は健在です。
私は体重が7、8キロ増えました・・・。

「今でもサイレンススズカのファンの方が、お墓参りにきてくださいます」
「でも、ファンの皆さんも当然年をとりましたね(笑)。私もですが」
「とても熱心なファンがいて、富川(牧場から軽く10km以上離れた場所)から、
『歩いて行きます』と電話してきた方がいて、さすがに迎えに行きました(笑)」
など、美彦社長は、多忙の中、こちらに色々と話してくださいました。
奥様、美味しいコーヒー、ご馳走様でした。とてもいい香りでした。

7月31日のブログにも書きましたが、今回は「ホースメンズトレジャーズ」の企画で
稲原牧場さんにお邪魔しました。
もちろんサイレンススズカに関するものを紹介します。

発表は、秋の天皇賞の直前号となる『優駿』11月号(10月24日発売)に
掲載予定です。大分先になりますが、お楽しみに。
【Aozo】

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稲原牧場にあるサイレンススズカのお墓。いつもお花が添えられています。

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