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今月の立ち読み

不滅のライバル物語

Prologue
対決までの蹄跡


テイエムオペラオー

皐月賞後は惜敗が続くも、古馬になって本格化

 テイエムオペラオーは皐月賞馬だが、その時点ではまだ世代のトップではなかった。2歳8月デビューと仕上がりは遅くなかった。しかし軽い骨折などもあり、初勝利は3歳2月の、それもダート戦。そこからゆきやなぎ賞、毎日杯と連勝、クラシック登録もなく、追加登録で臨んだ一冠目は5番人気だった。主役はアドマイヤベガとナリタトップロード。しかしテイエムオペラオーは後方から大外を一気に差し、4連勝で頂点に立つ。竹園正繼オーナー、岩元市三調教師、和田竜二騎手、全員がGI初勝利だった。

 ところがそこから5戦、勝利から見放された。ダービー3着。京都大賞典3着。菊花賞2着。ステイヤーズS2着。有馬記念3着。どれも僅差で、そして早仕掛けや逆に仕掛けの遅れなど、実力とは別に明らかな敗因はあった。最後に敗れた相手はグラスワンダー、スペシャルウィークといった超一流古馬でもある。

 歯車は、しかし年が明けると嘘のように噛み合った。京都記念、阪神大賞典と連勝し、ナリタトップロードとの序列は完全に逆転。スペシャルウィークは引退してもうおらず、グラスワンダーは日経賞大敗。「一強」の天皇賞・春を危なげなく制した今、この新たな覇王を止められる馬など、もうどこにもいなかった。


メイショウドトウ

デビューは遅く、時間をかけて力をつける

 アイルランドで生まれ、せり市で購入されたメイショウドトウは、入厩後は時間をかけてじっくり仕上げられた。デビューは3歳1月で、ダート戦を使われ2着。次もダートで、出遅れながら最後は2馬身差と、ここは強い勝ち方を見せた。

 外国産馬は、まだクラシックには出走できない時代。しかも当面はダートを走るつもりならば、陣営が馬に無理をさせないのもある意味当然だった。4月に2勝目を挙げ、次のオープンで敗れた後はソエが出て休養。復帰は9月の札幌、芝を走るようになったのはここからだった。

 3勝目は10月の京都で、続くドンカスターSで連勝を飾ってオープン入り。同世代のテイエムオペラオーが菊花賞を走った、その1週間後のことだった。

 年が明けて4歳となったメイショウドトウは、ようやく芝の中長距離の重賞路線を歩みはじめる。日経新春杯2着から、中京記念で重賞初制覇。日経賞3着、オープンのメトロポリタンS勝ちを挟み、金鯱賞で重賞2勝目。阪神大賞典と天皇賞・春でテイエムオペラオーの連続2着に入ったラスカルスズカを突き放す、内容の濃い、勢いを感じさせる勝利だった。

 ゆっくりと強くなっていった素質馬。そんなメイショウドトウが、ついに初めてのGIへと挑む時がやって来た。


(続きは、11月25日発売の『優駿』12月号でお読みください。)

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