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今月の立ち読み

優駿激闘譜

凱旋門賞馬の子供で凱旋門賞を。
フランスから持ち込んだ血統馬

 新ひだか町(当時は静内町)の谷岡牧場はダービー馬サクラチヨノオーをはじめ、多くの活躍馬を送り出した名門だ。1991年の春、この谷岡牧場に生まれた馬たちは逸材ぞろいだった。4歳になって弥生賞を制したサクラエイコウオー、皐月賞でナリタブライアンの2着に食い込むサクラスーパーオーはいずれも同世代である。

 しかし、クラシックをにぎわせた2頭よりもしかしたら上なのではないかと、生まれたときから大きな期待を集めた馬がいる。サクラローレルである。

 谷岡牧場とサクラの冠号で知られるサクラコマースは深い信頼で結ばれていたが、そのサクラの総帥、全演植オーナーは早くから持ち馬をフランスに遠征させたり、フランスから馬を輸入したりしてフランスに強い関心を持っていた。当然、凱旋門賞にも惹かれるものを感じていた。なんとか自分の持ち馬で凱旋門賞を獲りたい。そんな気持ちが高まり、凱旋門賞馬レインボークエストの種を宿した牝馬を輸入することにした。その牝馬ローラローラは谷岡牧場に来てサクラローレルを産んだ。オーナーにとっても牧場にとっても期待の血統馬だったのだ。

 生まれたときはその馬っぷりのよさで目をひいたサクラローレルだが、同期に比べると決して丈夫だとはいえなかった。飛節の不安などで、なかなか思い切ったトレーニングをさせることができなかったのだ。

 それでも期待馬だったのでオーナーはサクラチヨノオーなど数々のサクラの活躍馬を送り出した境勝太郎厩舎にサクラローレルを託すことにした。谷岡牧場、サクラブランド、境厩舎というトリオである。

 なかなか仕上がらなかったサクラローレルのデビューは年が明けた4歳の1月になった。


(続きは、12月14日発売の『優駿』1月号でお読みください)

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