父サンデーサイレンス × 母の父ノーザンテースト
に意外なジンクスがあった
デュランダルは父サンデーサイレンス、母サワヤカプリンセスという血統で、社台ファームの生産馬である。母のサワヤカプリンセスは4勝をあげた中級馬で、繁殖牝馬としてもデュランダルの3歳上に中日スポーツ賞4歳Sを勝つサイキョウサンデーを出している。極めつけの名血というわけではないが、上級馬になる期待は当然持たれていた。
しかし、血統の上で、懸念がないわけではなかった。母サワヤカプリンセスの父はノーザンテーストである。サンデーサイレンスの前に日本競馬を席巻していたリーディングサイヤーで、父サンデーサイレンス、母の父ノーザンテーストという組み合わせはいわば日本における究極の名血ともいえた。当然サンデーサイレンスが輸入され、つぎつぎに活躍馬を送り出すようになると、この究極の組み合わせの馬も数多く競馬場に送り込まれたが、不思議なことに期待ほどの活躍馬は現れなかった。デュランダルがデビューする2001年冬の時点で、この血統のGIホースは1頭もいなかった。
もしかすると、サンデーサイレンスとノーザンテーストの組み合わせは相性がよくないのではないか。そんな囁きが競馬界に広がりかけていたのも事実である。
だから究極血統のデュランダルに一抹の不安を抱く人があっても不思議ではなかった。 デュランダルは社台ファームの総帥、吉田照哉オーナーの持ち馬として、栗東の坂口正大厩舎に託された。温厚な紳士で、マヤノトップガンをはじめGI馬も手がけた坂口調教師にとって、サンデーサイレンス×ノーザンテーストの組み合わせは、挑戦しがいのある相手だった。
デュランダルは順調に成長し、2001年12月の阪神で新馬デビューを果たした。調教で好タイムをマークしていた上に、血統も良血、武豊騎手の騎乗ということもあって、単勝1.4倍という断然の1番人気に支持された。芝の1200m。きょうだいや母の成績から見て、芝での短いところが向いているという坂口調教師の判断だった。
いざ馬場に出ると、気性の激しさを見せて見ている者をハラハラさせた。スタートも悪く、出遅れて、やむなく馬場の外めを回らなければならなかった。1200mの新馬戦では致命的な不利である。しかし、冷静な武豊騎手の手綱に導かれ、外を回って進出すると、直線を向いて前を行く馬たちをあっさり捉えて快勝した。外にもたれたり、物見をしたりと、落ち着かないレースぶりではあったが、能力のあることは誰の目にも明らかだった。
「兄たちにも乗ったことがあるけど、この馬のほうが硬さがなくて、距離も保ちそう。楽しみですね」
レース後の武豊騎手のコメントにも大きな期待が現れていた。
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