デビューは函館競馬場
旧3歳戦開幕週の初日
順調に成長したダンツフレームは、99年の北海道市場で2500万円で落札された。期待の大きさがうかがえる金額である。落札したのはダンツの冠号で知られる山元哲二オーナー。そして旧3歳の春、栗東の山内研二厩舎に入った。山内厩舎は旧3歳競馬に積極的で、早くから活躍馬を出すことで知られている。ダンツフレームも山内厩舎らしく、ダービーが終わって間もない00年6月10日の函館の新馬でデビューすることになった。
調教ではまずまずのタイムが出ていたし、なんといっても480キロ台のしっかりした馬格には人目を引くものがあり、ダンツフレームは1番人気に推された。しかし、小回り函館のダート1000mは、将来、クラシックをねらおうかという馬にはいかにも忙しすぎた。最初は行き脚がつかず、4、5番手を追走する形になり、直線で先に抜け出したマイネルジャパンの4馬身あとからゴールするのがやっとだった。乗っていた藤田伸二騎手は、ゲートの出が稽古ほどよくなかったのが不満だったが、それでも最後の脚にはまずまず納得していた。
当時は新馬戦に2度チャレンジすることも可能だったので、ダンツフレームは中2週でいわゆる折り返しの新馬戦に出走した。初戦と同じく、ダッシュはあまりよくなかったが、終始気合をつけられてもへばることなくしっかり伸びて1番人気に応えた。届かないと思うような位置からの差し切りで、ただ勝っただけでなく、距離が延びる将来への期待もかきたてられるような勝利だった。
新馬の勝利で北海道を引き上げたダンツフレームは、3戦目に9月の阪神のオープン特別に出走した。ここでは武豊騎手が騎乗し、断然の1番人気に推された。まだダートしか走っていなかったが、血統からみて芝で走れないはずがない。追って伸びたレースぶりからここでも問題なく勝ちあがれるだろうというのがファンの見方だった。
期待は裏切られなかった。やや後方を余裕を持って追走したダンツフレームは、4コーナーで内に進路を取ると鋭く伸びて先行集団を捉えた。そのまま押し切る。2着に3馬身半の差をつけていた。
「かなりのセンスを感じさせる馬です」
はじめて騎乗した武豊騎手は、「センス」に力点を置いて高い評価を下した。若駒にありがちな荒削りな部分、教えたり矯正したりする部分が少ない完成度の高さがダンツフレームの持ち味だったのだ。
その完成度の高さは、つぎのレースでも示された。中1週で同じ阪神の芝1600mのオープン特別に出たダンツフレームは、前走を上回る単勝1.2倍の1番人気に支持された。さほど評判の馬がいなかったこともあるが、これだけの支持は、やはり見た目にも非凡なものを感じさせたからだろう。ブライアンズタイム産駒らしくコロッとした体型は太め残りとも思えたが、いざ動き出すと切れ味は鋭く、他馬を圧していた。余裕の感じられる体つきはかえって将来性を感じさせるものでもあった。
このレースでの着差は半馬身と、前走ほどではなかったが、3番手につけて3ハロン34秒1の上がりを記録した走りっぷりは、距離の延長にも十分に対応できそうに思われた。
「素直な気性だからとても乗りやすかった。もっと距離が延びてもいいだろうし、体も立派だからね。楽しみだよ」
このレースで手綱を取った河内洋騎手のコメントは、短い中にダンツフレームの長所が的確に捉えられていた。年内に3勝をあげてしまえば、クラシック戦線は出走権を気にせずじっくり戦える。そうした余裕からか、ダンツフレームは放牧に出された。勝負は春だ。それまでにもう一回り成長して欲しい。それが陣営の願いだった。
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