「どこまでドラマを作んねん」
写真判定の末に、7つめのGⅠ(JpnⅠ、以下同)制覇を果たしたウオッカ。
この歴史的名馬を担当する中田陽之助手が
ジャパンCのレース後につぶやいたセリフが、冒頭のそれでした。
勝利をほぼ手中に収めていたアストンマーチャンを、
驚愕の末脚で一蹴した阪神ジュベナイルフィリーズが最初でした。
賛否両論ありながら敢然と駒を進め、64年ぶりの牝馬による戴冠を成し遂げた日本ダービー。
結果を出せなかった3歳秋から4歳春の悔しさを一気に晴らした安田記念。
死力を尽くした叩き合いの末、ライバル・ダイワスカーレットをねじ伏せた天皇賞・秋。
2度目のドバイ遠征でも結果を残せず「もう終わったのか...」と囁かれながら、
他馬を置き去りにして7馬身差で圧勝したヴィクトリアマイル。
直線で進路が確保できず絶体絶命のピンチに陥るも、
抜け出してからは前を行くダービー馬ディープスカイを並ぶ間もなくかわし去った安田記念。
そして今秋、"絶対王者"と期待されながら2連敗を喫し、衰えを指摘する声も出たものの、
自らのポテンシャルの高さをまざまざと見せつけてハナ差で栄光をつかんだジャパンC。
2歳から5歳までの7つのGⅠ勝利、そのどれもが深く心に響くレースでした。
そんな中でも、今回のジャパンC優勝は、本当に大きな意味を持っていると思います。
ダービー後のレースぶりから、基本的にはマイラーという評価が強くなっていましたが、
ダービー馬としての意地と誇りを見せてくれたような気がするんです。
それも、淀みのない流れの中を好位で追走、
直線で早めに先頭に立って押し切るという"横綱相撲"で勝ったところに大きな価値がありました。
レース後、中田さんがおっしゃっていました。
「レース前には飼い葉をあまり食べないんですよ。
自分で調整して身体を作るんです。
だから、ホントに楽なんですよね」
4キロ体重を絞ったのは、ウオッカ自身による長い距離に対応するための作戦だったのでしょうか。
もちろん有り得ませんが、ここまで劇的だとハナ差の決着まで演出だったのではないか、と勘ぐりたくもなります。
競馬って、おもしろいですね。
【Kon】
ジャパンCの激走後、検量室前に戻ってきたウオッカ。
私、自他共に認めるウオッカフリークなため、
勝利が確定すると多くの人から「おめでとう」と祝福されました(笑)

